大ヒットしたノーラン最新作「TENET テネット」
今回は敵セイター(セーター)に注目して彼のタイムライン/時間軸やカーチェイス&回転ドア周りの時系列を整理していきます。
タリンのハイウェイでのカーチェイスでは、主人公とセイターが順行と逆行が使いながら複雑に絡んでいたので理解するのが難しかったのではないでしょうか。
そのあたりに注目して、図を使いながら解説していきます!
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目次
TENET テネットのセイターのタイムラインを解説!
セイターのタイムライン/時間軸を図にすると次のようになります。
わかりやすくすため、主人公のタイムラインもざっくりいれました。
主人公が中心に描かれた本作のオリジナルのタイムラインについては下の記事をご覧ください!

まず、主人公が初めてセイターと出会うのはアマルフィ。ディナーに呼ばれた主人公がそこでオペラハウスの話を持ちかけます。
その後セーリングでキャットに殺されかけたセイターを主人公が救出。
主人公は輸送されるアルゴリズム奪還に協力するとセイターに言いますが、彼に無視されてしまいます。
しばらくして、セイターはタリンのフリーポート内倉庫でキャットと口論に。最終的にセイターがキャットを突き落とし、扉の向こう側へと行ってしまいます。
ここでセイターはこの倉庫にある回転装置に入り、順行から逆行になったのでしょう。
そして、主人公がアルゴリズムを奪ったタイミングで逆行したセイターが現れます。キャットを人質にとった状態でアルゴリズムを要求。
主人公はアルゴリズムのケースをセイターに渡します。
しかし、このとき主人公は空のケースを投げて渡していたのです。
順行する主人公の視点では映っていませんでしたが、ハイウェイに戻る逆行する主人公の車が順行の主人公の車とセイターの車の間に入り、このときアルゴリズムが逆行する主人公の車の後部座席から順行する主人公の車に戻るように映っていました。
つまり順行の主人公はセイターにアルゴリズムを渡すと見せかけて、逆行の主人公の車に投げていたのです。
上の図で示したように、それ以降アルゴリズムは、逆行する主人公の車の後部座席にあったことになります。それを裏付けるように主人公が回転装置に入り外に出た後、港にとまっていた自分の車に乗り込むとすぐに後部座席を確認していました。
主人公はハイウェイでキャットを救出しますが、すぐにセイターの手下に捕まってしまいます。
そのあと、主人公はフリーポートの倉庫内へ。
こっからのセイターの動きが複雑ですね。
逆行するセイターはキャットを人質にとり、アルゴリズムの在り処を主人公から聞き出そうとします。
キャットに逆行弾を撃つも主人公が吐かなかったため、セイターは順行に戻り主人公目の前で銃を突き刺し聞き出そうします。
あわてて主人公はBMWの車の中だと言いますが、どのBMWかを言う前にテネットが倉庫内へ潜入。
セイターはまた回転ドアに入り過去に逃げていきました。
このときセイターが2人映っていましたね。これは順行から見た視点で描かれているため。セイターが装置に入り過去に戻るということは、過去に戻るセイターが装置から出てきます。そして過去に戻る人は逆行世界では逆再生なので、装置に戻るように見えます。すると、はたから見ると同一人物が装置に吸い込まれるように見える構図になるのです。
オスロ空港で主人公が回転装置から2人出てきたのもこのシステムだから。
時間逆行や回転装置の仕組みについては下の記事で解説しています。



アルゴリズムはどこへ?
先程述べたとおりアルゴリズムは、主人公が輸送中から奪った後、逆行する主人公の車の中にずっとありました。しかし、最終的にアルゴリズムは最後の決戦となる14日のスタルスク12にあるので、セイターがどこかの時点で主人公から奪っていたはず。
しかし、劇中ではセイターがアルゴリズムを見つける場面は描かれていません。BMWの中とまでは聞き出すことができましたが、どの車の中にあるのかセイターはまだ知らないのです。
彼がいつどのタイミングアルゴリズムをゲットしたのかは映画の中で表現されていませんでした。
セイターが企んでいたこと
セイター自身は14日にスタルスク12に戻るのではなく、キャットと幸せな時間を過ごしたベトナムの戻ります。
セイターはがんで余命宣告されており、自分が死ぬタイミングで世界を滅ぼそうと企んでいたのです。
アルゴリズムを9つ揃えると世界全体を逆行の世界にする、世界を破滅へと変える力がありました。
それを阻止するため、主人公とニールは挟み撃ち作戦でスタルスク12に。
アルゴリズムを奪還したタイミングでキャットがセイターを殺害する計画でした。
しかし、アルゴリズム回収直前にキャットがセイターを殺してしまいました。
セーターはなぜ生きてる?
セーターは最終的に、キャットと幸せな時間を過ごしたベトナムの海で彼女に殺されます。
では、なぜその後の時系列で彼は生きているのでしょうか?
今作の時間の概念を簡単にいうと「運命は1つに決まっている」ということ。
セイターは最初からベトナムで死ぬ運命にあり、そこに向かって矢印一本で進んでいます。ですから、過去が変わったからと言ってそこから時間軸が分岐することはありません。
ただ、テネットでは現実では起こり得ない時間の逆行を可能にしているので、死というものが今の出来事より前に起こるということを可能にしています。
現実的にありえないことですが、そこはSF映画として許容するしかないですね。
もし、バック・トゥ・ザ・フューチャーの理論でいくと、過去を変えると未来は変わることになるので、殺された後の時系列でセイターは生きているはずがないということになります。
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※本ページの情報は2021年1月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXT公式サイト
どうしてもわからないところがあるのですが、ベトナムの船でキャットがセイターを殺害していたとしたらその後の時間軸でセイターが生きているのはなぜでしょうか???
またベトナムの船では、セイターを殺害したキャットとマックスとジェットに乗っているキャット2人巡行キャットがいる状態ですが、そのあと普通の生活に戻るとしたら2人いることになりませんか。。??
その辺が理解できないのですがわかったら教えていただきたいです
この映画を現実的に考えては理解できません。図で示したように登場人物の時間軸は矢印一本で示すことが可能で運命は一つです。分岐はしてません。セイターがベトナムで死ぬという運命は決まっています。しかし、逆行が可能なために順行から見たときに原因と結果が逆転してしまっています。順行から見たときにセイターの死がセイターの生よりも前に来てしまっているのです。現実的に考えて原因よりも結果が先に起こることがおかしいので、これをどうして?と考えてもナンセンスです。ある時点で同一人物が複数人いるのも、逆行と順行があるこの世界では可能であると受け止めるしかありません。