クリストファー・ノーラン最新作「TENET テネット」。
今回は「酸素マスク」にフォーカスして以下の内容について考察していきます。
- 酸素マスクに矛盾はある?
- なぜキャットは酸素マスクをしてない?
目次
テネットの酸素マスクの意味は?
予告から登場キャラクターが酸素マスクをつけるシーンがいくつかありました。
ポスターには主人公がマスクをしてるバージョンとしてないバージョンがありましたね。
果たしてこのマスクは何を意味するのか。
このマスクは時間の逆行に大きく関係しています。
これは、現実世界に逆行して行動しているときに、酸素を吸い二酸化炭素を吐くという行為ができなくなるため、酸素マスクをつけているのです。
つまり、酸素マスクをしているときは、そのキャラクターが現実とは逆行して動いているということ。
SFの中にしっかりリアリティをもたせるノーランらしいアイデアと感じますね。
キャットが酸素マスクをしてないのは矛盾?
ここで、なぜ「キャットは酸素マスクをしてないの?」と思った方がいるはずです。
劇中の高速道路のシーンで、キャットと同じ車に乗っていたセイターはマスクをしているのに、キャットはしていませんでした。
セイターと同じくキャットも逆行しているなら、マスクをしてないと矛盾が生じます。
ということでこのシーンは、キャットは順行していたと考えるのが妥当です。
後のシーンでキャットは、セイターが撃った逆光弾をくらう場面がありますが、このときは彼女がマスクをしてます。
🟥《サトール・アレポの定式》🟦
S A T O R
A R E P O
T E N E T
O P E R A
R O T A Sラテン語の回文。
「農夫アレポが犂を操って仕事をする」という意味だが、《SATOR》=《神》という宗教的解釈も存在している…。#TENETテネット pic.twitter.com/pfq9h7JbRX— 映画『TENET テネット』公式 (@TENETJP) October 11, 2020
ですので、このときはキャットのほうが逆行していたことになります。
セイターの行動について詳しくは、下の記事にまとめています。
≫テネットのセイターはなぜ生きてる?時間軸とアルゴリズムの行方を図で解説!
テネットの意味は?
タイトルにもなっていて、予告編でもキーワードとしてでてきた「TENET テネット」。
tenetを辞書で調べると「(個人または集団が信奉する)主義、教義、信条」といった意味が出てきます。抽象的な言葉で非常にイメージがしづらないですね。
英英辞典では次の通り。
a principle or belief, especially one that is part of a larger system of beliefs
原理原則や信念という意味で、大きな枠組みの中の一つを指すときにも用いられるようです。
また、ラテン語の回文「SATOR式(SATOR AREPO TENET OPERA ROTAS)=農夫のアレポ氏は馬鋤きを曳いて仕事をする」が関係しているのではないかと言われています。
図のように真ん中を上下左右どこから読んでもTENETになるのが特徴。
ラストのクライマックスで、主人公はプルトニウムを奪還すべく、0から10分と10分から0分の2グループに分かれて時間の挟み撃ち作戦を決行します。
10は英語でTENであり、TENETの左から読んでも右から読んでもTENになることから最後の決戦を指しているとも言えます。