映画史に残るヒーロー映画となったダークナイト。
この映画を観て、悪役ジョーカーの目的は何だったのか、最後彼はどうなったのかと疑問を思った方がいるでしょう。
そこでこの記事では、ダークナイトのジョーカーの目的と結末について考察していきたいと思います。
また、特殊能力を持たないジョーカーがなぜ、バットマンを終始圧倒できたのかも考えていきます。
この記事では映画ダークナイトのネタバレを含みます
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ダークナイトのジョーカーの目的は何?
物語はジョーカーの銀行強盗から始まります。そして、彼の次の登場では、マフィアにお金を要求するのでした。
序盤の展開は、一見ジョーカーの目的はお金のように思えます。
しかし、単純に大金を手に入れたいという動機で、銀行強盗を行い、さらにはバットマンをたおす計画を
彼の不自然なメイクや不気味な声からは、もっと大きなものを手に入れることを企んでいるように感じましたね。
物語の中盤、ジョーカーは市民を人質に取り、バットマンに「マスクをとって名を名乗れ!」と脅しにかかります。
ここで、彼の行動と目的に疑問を持った方が多かったのではないでしょうか。彼の目的はお金でもバットマンをたおすことでもなかったのかと。
確かに、バットマンの素顔がわかれば、マフィアや犯罪者が恐れる存在がいなくなるので、マフィアから大金を得られるかもしれません。ですが、バットマンがマスクをとりゴッサムの街から消えれば、ジョーカーはバットマンをたおすことはできません。
なぜ、ジョーカーはバットマンに脅迫したのでしょうか。
実は、ジョーカーはこの世界を破壊したいだけだったのです。
彼の行動に頭を悩ませているブルースにアルフレッドが言っていました。
後に、ジョーカー自身が入院中のハービー・デントに言いますが、彼の目的はバットマンを倒すことでも、大金を手に入れたいわけでもありません。
ジョーカーが求めるのは、混乱がうごめく混沌の世界。
ゴッサムに平和と秩序をもたらすバットマンがいなくなれば、ゴッサムは再び犯罪と汚職でまみれの世界へと戻るでしょう。ジョーカーが望む混沌の世界ですね。
しかし、バットマンはマスクをとりません。彼には両親を目の前で殺された過去があり、もしマスクを取れば、愛する者が犠牲になる恐怖があったのだと思います。
ジョーカーは特殊能力を持っているわけでも、バットマンより肉体的に強いわけでもありません。しかし、他人の弱みを握ることは非常にうまく、バットマンの不殺主義をうまく利用していました。
そして、標的はバットマンからハービー・デントに変わります。バットマンが評価する光の騎士・顔の見えるヒーローですね。
そんな彼は、ジョーカーによって愛するレイチェルを失います。復讐心を芽生えたハービーは、悪の手に染まってしまいました。
ハービーが光から闇へ堕ちる姿は、正にジョーカーの望む展開だったでしょう。
正義感がありヒーローのような存在でも、愛する者を失うと正気ではいられなくなり、正しい判断ができなくなることがわかりましたね。
バットマンさらには、ゴッサムの市民が称賛するハービー・デント。彼のような善い心を持った人でも、闇に堕ちる。ジョーカー自身が言っていましたが、彼はまさに混沌の使者ですね。
ジョーカーが映画を通して伝えたかったこと
この世界はコントロールできない
これはジョーカーが入院中のハービーに向けた言葉。このとき警察やマフィア、バットマンさえも計画的で企んでいるとジョーカーは発言します。
確かにバットマンや警察の行動を見るとそう思いますね。
ブルースは平和と秩序のある街を求めてバットマンになりました。
しかし、彼の行動がかえってジョーカーに火をつけたとも言えます。そして混沌世界へ。警察も本当ならゴッサムの街を取り締まる存在でないといけないのに、映画を通してジョーカーに追われるばかりでした。
ただ、このことはジョーカー本人にも言えたことだと思います。彼は自分が理想とする混沌の世界へとコントロールしようとしていました。
結果的にハービーを自分の思い通りにすることはできましたが、ゴッサムの街、さらにはバットマンをコントロールできませんでした。終盤のフェリーでの爆破計画は失敗に終わっていますし、バットマンにマスクと取らせることもできませんでした。
現実世界においても、なかなか自分の思い通りにはならないですよね。理想と現実にはギャップがあり、自分が思い描いたとおりでコントロールするのは難しいですよね。
人間は弱い生き物
映画の通してのハービーの転落ぶりを見てもわかりますが、愛する家族を失ったり。自分が弱い状況になったりすると、正しい判断ができなくなる、自分勝手な行動してしまうということ。
結局、他人よりも自分が大事ということをジョーカーは言いたかったのだと思います。
その反面、バットマンはすごいメンタルの強い存在だったと思いました。愛するレイチェルを失ってもハービーのようになりませんでしたし、どんなに憎い存在のジョーカーも自分の手で殺しませんでした。
自分勝手で傲慢といえばそうですが、マスクを取らない、どんな人も殺さないという信念があったからこそ、ジョーカーの手に屈しなかったと思います。
まさにヒーローを超えた存在でしたね。
ジョーカーのその後は?
ダークナイトのジョーカーは最後、宙吊りになった状態で警察に発見され、そのシーンで終わりました。
では、その後ジョーカーはどうなったのでしょうか。
まず、続編のダークナイト・ライジングにジョーカーは登場していません。ですのでジョーカーの行方は不明です。
ジョーカーを演じたヒース・レジャーがダークナイトの撮影中に亡くなりました。
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おそらくあの後、警察に捕らえられることになるでしょう。でもこれでは劇中に捕まった場面と変わらず、また簡単に脱走されるでしょうね。
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最後に
以上、ダークナイトのジョーカーの目的と映画通して彼が伝えたかったことについてまとめました。
彼は、お金でも名誉でも、バットマンを倒すことが目的ではなく、単にこの世界をぶっ壊したい、混乱の世界にしたいという欲望のまま行動していました。
映画を通して、この世界は自分の思い通りにコントロールできない。そして、どんな人も、自分の立場が弱くなり、愛する家族が犠牲になると、正しい判断ができなくなると伝えたかったのだと思います。