今回は、アクロスザスパイダーバースでマイルスとミゲルが対立するきっかけとなる「カノン・イベント」について、マルチバースの概念を掘り下げながら考察していきます。
MCUの世界との関係も見ていきましょう。
この記事ではアクロスザスパイダーバースのネタバレを含みます
目次
アクロスザ・ス・パイダーバースのカノンとは?
カノン・イベントとは、スパイダーマンが生涯を形成していく中で起こる大きなイベントのこと。
劇中では、けっこう悪い出来事としてスパイダーマンの身内の死や親しい警察署長の死が紹介されていました。
カノン・イベントのエピソード
ここではアクロスザスパイダーバースで紹介されたカノン・イベントについて、いくつかピックアップしていきます。
ベンおじさんの死
ピーター・パーカーがスパイダーマンになる上で欠かせないイベント。ピーター・B・パーカーが言っていたように、この出来事がなければ、ほとんどスパイダーマンが存在していません。
この場面で、トビー・マグワイア版のスパイダーマンが登場。
警察署長の死
アンドリュー・ガーフィールド版スパイダーマンで亡くなったグウェンの父ジョージ署長の死が紹介されていました。
他にもコミックで警察署長が子供助けたことで犠牲になるケース、アース50101でカノン・イベント不成立になった署長もこれに当たります。
ピーター・パーカー(リザード)の死
グウェンの世界アース65では、親友のピーター・パーカーがリザードであることが判明。彼女が気づいたときには死んでいました。
このとき、ピーターのそばにグウェンがいたことで、警察官の父親に殺害の容疑をかけらてしまいます。この展開はスパイダーマン1作目、亡くなったグリーンゴブリンのそばにスパイダーマンがいたことで、ハリーから人殺し扱いされる展開と似ています。
おそらく、グウェンの世界では、ベンおじさんは亡くなっていないでしょう。また、彼女の父親が警察官を辞めたと言っていたことから、警察署長の死は回避されたと思われます。
このように、必ずしもベンおじさんや警察署長が死ぬカノン・イベントが起きるとは限らないということ。
グウェンやマイルスのように、ピーターではない人間がスパイダーマンになると、他と異なるイベントが起きるのかもしれません。ミゲルも他の世界では、自分が殺されたことがカノン・イベントになっていました。
カノン・イベントが不成立になるとどうなる?
不成立になると、大きくわけて3つの事象が起きるとされています。
- アースは崩壊せず、ソサエティが修復することで解決
- アースが崩壊
- スパイダーバースが崩壊
アース50101の出来事から、不成立になったからといって必ずしもアースが崩壊するわけではありません。もしかすると、スパイダー・ソサエティが駆けつけたことで、大災害には至らなかったのかも。
ただ、ミゲルが経験したように、カノン・イベントに抗ったことでアースまるごろ消滅するケースもあります。
この場面にピーター・B・パーカーもいたので、ソサエティが解決に努めたが、だめったことが伺えます。
そして、ミゲルが恐れる最悪のケースがスパイダーバースの崩壊。一つのアースの崩壊にとどまらずに宇宙全体が消滅するということ。
こうならないために、カノン・イベントに抗うマイルスを止めようとしているわけですね。
異分子はカノン・イベントにどう影響する?
ここで疑問に思ったのが、異分子マイルス・モラレスの存在とカノン・イベントの関係について。
スパイダーマンになる予定ではなかったマイルスは、アース42の放射線を浴びた蜘蛛に噛まれたことでスパイダーマンになりました。
ミゲルいわく、本来ならピーター・パーカーがキングピンを倒し、加速器を止める展開になっていたとのこと。おそらくこれが正規のカノン・イベントです。
ところが、マイルスの存在によりアース1610のスパイダーマンとアーロンおじさんが死ぬことに。
これらのことから、マイルスがスパイダーマンになったことでピーター・パーカーとアーロンおじさんが死ぬカノン・イベントに上書きされたのではと考えています。
ここで、ソサエティのアルゴリズムの中に、マイルスがスパイダーマンになる事象が組み込まれていないとも思いました。
アース50101の署長は子供を助けて犠牲になるのが正規のカノン・イベント。
ところが、そこに現れたマイルスのせいで正しく計算できなかった。そして、終わったときにはマイルスが署長と子供を救うというカノン・イベントに書き換えられたのではないでしょうか。
本来、消滅するはずだったアース50101がたまたま消滅しなかったのではなく、そもそもマイルスが救う結末がカノン・イベントであり、成立していたのではないかと考えられます。
では、予定されているスポットがマイルスの父親を殺すカノン・イベントについて。
これに関しても、マイルスが助ける事象をアルゴリズムしていないとすると、彼が父親と世界の両方を救うことは可能であるといえます。
でもここで、マイルスにとって大切な存在、身近な存在が犠牲になるカノン・イベントがあるのではないかとも考えています。
MCU版マルチバースとスパイダーバースのつながりは?
ミゲルがカノン・イベントについて説明する場面で、ドラマロキに登場した神聖時間軸がそのまま出てきましたね。
MCUではTVAが時間軸を管理、今作におけるスパイダー・ソサエティの役割を担っています。
TVAでは他の時間軸の自分と同じ存在を「変異体」と呼んでいました。
スパイダーバース1作目でアース1610にやってきたスパイダーマンたちは、マイルスからしてみれば変異体でしょうかね。そもそもマイルスがアース42の蜘蛛に噛まれているので彼自身も変異体な気もしますが…
スパイダーバースでは、神聖時間軸のように主軸となるアースが紹介されていないので、誰を基準に変異体と呼ぶかは難しいところですね。
今作に登場した実写プラウラーは、スパイダーマン・ホームカミングに登場したアーロン・デイヴィス。彼がMCUの世界から捕まったのかは不明。
また、ミゲルがMCUの世界をアース199999と言っており、スパイダーバースの中の一つのアースとしてMCUがあると見ることができます。
さらに、スポットがヴェノムとモービウスがいるアース688の世界に顔を出します。
映画モービウスでヴァルチャーがアース19999からアース688に行く展開になっていました。ヴェノムもノーウェイホームのときに一時的にアース199999に飛ばされていましたね。
水面下でマイルスモラレスの実写が動いているようですので、仮にアニメ版と同一人物だとすると、実写マイルスがアース1610からアース688に行く展開もあるかもしれません。
アースをまとめると以下の通り。
- アース199999:MCUの神聖時間軸
- アース688:ヴェノム、モービウス、ヴァルチャーがいる
- アース1610:マイルスの故郷
- アース42:スパイダーバース2最後にマイルスがいる世界
- アース65:グウェンの故郷
- アース616:ピーター・B・パーカーの故郷
なお、アースと人物関係については、下の記事にまとめています。
>>アクロスザスパイダーバース相関図!アースと登場人物の関係を整理!
アクロスザスパイダーバース登場人物相関図!アースの関係を整理!