スパイダーマンの誕生を描いた作品には、2002年のサム・ライミ監督のスパイダーマンと2012年のアメイジング・スパイダーマンがあります。
今回は2つの作品のストーリーと登場人物を比較していきたいと思います。ヒロインのグウェンとMJの違いや主人公ピーター・パーカー/スパイダーマンのキャラクター像の違いに注目してい比較していきます。
それぞれの作品の興行収入や評価は?
まずはデータの比較から。
アメリカでの興行収入はというと、サム・ライミ版のほうが約1.5倍も多くなっているのがわかります。
アメイジング・スパイダーマンが公開した2012年には、同じマーベル作品のアベンジャーズ(アメリカの興行収入約6億ドル)が公開しています。ですから、単純にスパイダーマンの誕生を映画いた作品よりも、ヒーローが集結する映画のほうが新鮮で興味を持った人が多かったように思われますね。
評価はというと、アメリカの映画サイト「RottenTomatoes」や「iMDb」、「Metacritics」で次のようになっています。
サム・ライミ版スパイダーマン(2002) | アメイジング・スパイダーマン(2012) | |
Rotten Tomatoes(評論家) | 90/100 | 73/100 |
Rotten Tomatoes(観客) | 67/100 | 77/100 |
iMDb | 7.3/10 | 6.9/10 |
Metacritics | 73/100 | 66/100 |
興行収入に比例して、評価もサム・ライミ版スパイダーマンのほうが高いという印象です。
サム・ライミ版とアメイジングのどちらが面白い?
ではどちらのほうが面白いのか。正直、好みは人それぞれですので、一概に片方のスパイダーマンのほうが面白いと断定することはできません。
なので、ストーリーと登場人物を比較しながら、私の意見を述べていきたいと思います。
大体のあらすじは同じです。
冴えない高校生が可愛い女の子に恋をし、蜘蛛に噛まれてスパイダーマンになります。そして、ベンおじさんを失ったピーターは市民のヒーローとなり犯罪者を捕まえ、最後はヴィランと対決という流れですね。
個人的にサム・ライミ版のほうがスパイダーマンになる動機やヒーローとしての葛藤、成長がわかりやすく描かれていて、共感できました。
ライミ版のピーターははじめ、超人的な能力を自身の欲望を満たすために使っていました。しかし、ベンおじさんを亡くしたことで、この力は与えられたもの、責任を持って周りの人の役に立つように使わないといけないと気づきます。
対して、アメイジング・スパイダーマンでは、ベンおじさんを殺した犯人を探すため、恨みを晴らすためにスパイダーマンになります。結果的に犯罪者を捕まえてヒーローになりますが、サム・ライミ版よりはメッセージ性は薄かったように思います。
10年経っているのもあり、遺伝子操作に関する細かい所の描写はアメイジングのほうが凝っていたと言えるでしょう。それゆえ、専門用語が多くなり、分かりづらくなっていたと感じるかもしれません。
登場人物
続いて登場人物の比較してみましょう。
ピーター・パーカー/スパイダーマン

サム・ライミ版スパイダーマン
どちらの映画に登場するピーターも序盤はフラッシュにいじめられる存在です。
しかし、サム・ライミ版のほうが弱そうでみんなからバカにされ、全くヒーローになる素質があるように見えませでした。
だこらこそ、スーパーパワーを手に入れたときの振れ幅は大きく、どんな視聴者にも夢を与えることができたのではないでしょうか。

アメイジング・スパイダーマン
一方でアメイジングのピーターは、もともと自らいじめられっ子を助けようとする正義感があり、すでにヒーローに近い存在でした。
そのため、特殊能力を得て、ものを壊したりと明らかに強くはなっていますが、サム・ライミ版よりは大きな力を手に入れたと実感することはできませんでしたね。
でも、アメイジングのほうが優秀なピーター・パーカー像は描かれていました。自身でウェブシューターを作ったり、博士に助言をしたりする場面で彼の頭の良さは際立っていたと思います。
MJとグウェン

MJ/サム・ライミ版スパイダーマン
サム・ライミ版ではMJが、アメイジングではグウェンがスパイダーマンのヒロインでした。
MJは子供の頃からピーターが好きだった女の子。彼女は人気者でピーターの隣に住んでいるのにもかかわらず、彼にとって遠い存在でした。しかし、ピーターがスパイダーマンになり、彼女を助けるようになると、その距離はどんどん縮まります。
最終的にはMJがピーターに告白。ところが、ピーターは自分がスパイダーマンである以上、愛するものを犠牲にするわけにはいけないと思い、友達以上になれないと言います。
このとき、ヒーローは報われないなと思いましたね。
グウェン/アメイジング・スパイダーマン
対して、グウェン・ステイシーはというと、裕福な家庭で育った優等生。すぐにピーターと仲よくなり、恋人関係になります。
物語の途中は美男美女の学園恋愛ドラマを見ているような感覚でしたね。
現実世界でも、グウェンを演じたエマ・ストーンとピーターを演じたアンドリュー・ガーフィールドが一時期付き合っていたのもあり、お似合いカップルだったと思います。二人を見ていて嫌な気持ちになる人はいないでしょう。
ですが、スパイダーマンのストーリーを進める上で、二人のシーンはあまりいらなかったと思います。
ピーターがスパイダーマンであることを知っても、グウェンの方に心境の変化はあまり感じれなかったですね。
サムライミ版スパイダーマン3でグウェン・ステイシーが登場します。今までに公開したスパイダーマン映画のヒロインの比較は下の記事をどうぞ。

最後に
以上、スパイダーマンのサム・ライミ版とアメイジングを比較しました。
物語、登場人物どちらを見比べても、スパイダーマンのオリジンムービーとしてサム・ライミ版のほうがうまくまとまっていたと思います。
アメイジングスパイダーマンを観て、リメイク作品の難しさを感じましたね。