10月25日、26日、27日の3日間、先行上映が開始され、11月1日にいよいよ公開される映画「ヴェノム:ザ・ラスト・ダンス」。
マーベル作品の人気キャラクター、ヴェノムを主人公としたシリーズ3作目となる今作ですが、
「ヴェノムって実はマーベル作品じゃないの?」
「MCUとは違うってどういうこと?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか?
確かに、アイアンマンやキャプテン・アメリカといったお馴染みのヒーローたちと比べると、ヴェノムは少し毛色が違うように見えますよね。それに、MCU作品ではお馴染みの「アベンジャーズ」のロゴも出てきませんし、他のヒーローとの共演もありません。
実は、ヴェノムはMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)ではなく、SSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)と呼ばれる、いわば“もう一つのマーベル映画の世界” に属しているのです。
この記事では、MCUとSSUの違いや繋がり、そしてスパイダーマンとヴェノムの関係性について、より深く掘り下げて解説していきます。ヴェノムの最新作をより楽しむためにも、ぜひ最後まで読んでみてください!
目次
ヴェノムはマーベル・コミック原作
そもそもヴェノムは、マーベル・コミックが生み出したダークヒーローです。
1988年に登場したヴェノムは、スパイダーマンの宿敵として知られており、その凶悪な見た目と残虐性で瞬く間に人気を獲得しました。
ですので、ヴェノムはマーベルです。
映画「ヴェノム」シリーズでは、トム・ハーディ演じるエディ・ブロックというジャーナリストが、ヴェノムという地球外生命体と共生し、善悪の狭間で葛藤しながらも悪と戦う姿が描かれています。アメコミ映画らしいド派手なアクションシーンはもちろんのこと、エディとヴェノムの奇妙な友情や、コミカルな掛け合いも見どころの一つです。
原作コミックのキャラクターであるヴェノムが主人公の映画なので、「ヴェノム」はれっきとしたマーベル作品と言えるでしょう。しかし、同じマーベル作品でも、MCU作品とは異なる点があるのです。
MCUとSSUの違いを徹底解説!
では、なぜ「ヴェノムはマーベルじゃない」という誤解が生じるのでしょうか?
それは、ヴェノムがMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)ではなく、SSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の作品だからだと考えられます。
MCUとは、マーベル・スタジオが製作する、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、スパイダーマンなど、人気ヒーローたちが活躍する映画シリーズの世界観のことです。アベンジャーズのように、ヒーローたちが集結して共通の敵に立ち向かうクロスオーバー作品もMCUの特徴です。
一方、SSUとは、ソニー・ピクチャーズ傘下コロンビア・ピクチャーズが製作する、スパイダーマン関連のキャラクターが登場する映画シリーズの世界観を指します。ヴェノムの他に、モービウスやクレイヴン・ザ・ハンターといったキャラクターが登場する映画が製作されています。
コロンビア・ピクチャーズは映画の冒頭に女神のロゴが出る作品ですね。
MCUとSSUは、それぞれ独立した世界観を持っており、基本的には物語が交わることはありません。 簡単に言うと、同じマーベル作品でも、異なる制作会社が異なる世界観で映画を作っているということです。
マーベル=MCUと認識している人にとっては、ヴェノムはマーベルではないと感じてしまうかもしれません。
なぜMCUとSSUが存在するの?
スパイダーマンの権利問題とは?
MCUとSSUが存在する背景には、スパイダーマンの映画化権が複雑に絡み合っています。
1990年代後半、マーベル・コミックは経営難に陥り、多くのキャラクターの映画化権を様々な映画会社に売却しました。スパイダーマンの映画化権を獲得したのは、ソニー・ピクチャーズです。
その後、マーベル・スタジオはMCUを立ち上げ、様々なヒーローをクロスオーバーさせる壮大な構想を実現していく中で、スパイダーマンもMCUに参戦させることを熱望しました。
そこで、マーベル・スタジオとソニー・ピクチャーズは契約を結び、スパイダーマンというキャラクターを共有することで合意しました。
ソニー・ピクチャーズは、スパイダーマンをMCU作品に登場させる代わりに、MCUの製作ノウハウを共有してもらい、自社のスパイダーマン映画のクオリティ向上を目指しました。
そのため、「スパイダーマン:ホームカミング」や「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」といったMCU作品にスパイダーマンが登場する一方で、ソニー・ピクチャーズは独自のスパイダーマン映画として、「ヴェノム」シリーズや「モービウス」を製作しているのです。
スパイダーマンの制作・配給会社はMCUと違う?マーベルの権利を解説!
スパイダーマンは
MCUとSSUの架け橋となれるか?
スパイダーマンは、MCUとSSUの両方に登場しえる数少ないキャラクターです。そのため、スパイダーマンが両方の世界観を繋ぐ架け橋になる可能性を秘めています。
「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」では、マルチバースによって、MCUのスパイダーマンと、過去のスパイダーマン映画シリーズに登場したヴィランたちが遭遇するという、まさに夢のようなクロスオーバーが実現しました。
しかし、現状ではスパイダーマンはMCUのキャラクターとしての立ち位置が強く、SSUの世界観には正式に登場していません。
「モービウス」のエンドクレジットシーンで、MCUのヴァルチャーが登場するなど、SSUからMCUへの繋がりを示唆するような描写はありましたが、今後の展開は不透明です。
また、「モービウス」など、SSU作品の興行的な不振も、今後のSSUにスパイダーマンが登場する展開を難しくしている可能性があります。
ヴェノムのMCU参戦はない?
「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」では、マルチバースによってヴェノムが一時的にMCUの世界に迷い込むシーンがありました。この展開は、多くのファンを興奮させ、「もしかしたらヴェノムがMCUに参戦するのでは?」という期待を抱かせました。
しかし、「ヴェノム:ザ・ラスト・ダンス」がヴェノム最終章と銘打っていることから、今後ヴェノムがMCUに本格的に参戦する可能性は低いと考えられます。
「ノー・ウェイ・ホーム」でMCUに迷い込んだヴェノムは、エンドクレジットシーンで元の宇宙に戻ってしまいました。このシーンは、ヴェノムがMCUに本格的に関わるのではなく、あくまで一時的な出来事であったことを示唆しているのかもしれません。
スパイダーマンのように、ヴェノムがMCUのキャラクターとして活躍する未来は、今のところなさそうです。
今後のMCUとSSUはどうなる?
MCUとSSUの今後の展開については、まだ多くの謎が残されています。
MCUは、マルチバースを軸とした新たなフェーズに突入しており、今後さらに壮大なスケールで物語が展開していくことが予想されます。新たなヒーローの登場、マルチバースを舞台にしたクロスオーバー作品など、ファンをワクワクさせる展開が期待されます。
一方、SSUは、今後の展開が不透明な状況です。「ヴェノム:ザ・ラスト・ダンス」でヴェノムシリーズが一旦終了することを考えると、SSUは大きな転換期を迎えていると言えるでしょう。
スパイダーマンの登場やMCUとのクロスオーバーなど、様々な可能性が考えられますが、今後の作品次第で大きく方向性が変わる可能性もあります。
2024年12月公開「クレイヴン・ザ・ハンター」の次のSSU作品は決まっておらず、SSU先行きはわからない状態です。
最後に
この記事では、MCUとSSUの違いや繋がり、そしてスパイダーマンとヴェノムの関係性について解説しました。
「ヴェノム」シリーズは、MCUとは異なる世界観で展開される、独自の面白さを持つマーベル作品です。ダークヒーローらしいバイオレンスなアクションや、エディとヴェノムの奇妙なバディ感は、他のマーベル映画にはない魅力です。
「ヴェノム:ザ・ラスト・ダンス」の公開を機に、SSUの世界観にも触れてみてはいかがでしょうか?