『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は、ヨーロッパを舞台にスパイダーマンことピーター・パーカーが新たな敵ミステリオに立ち向かう姿を描いたMCU作品です。
この作品の魅力は、アクションシーンやストーリー展開はもちろんのこと、印象的な音楽の数々にもあります。
今回は、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』で使用された音楽に焦点を当て、オープニング曲からエンディング曲、そして劇中で流れた挿入歌まで徹底的に解説していきます。あのシーンで流れていたのは一体どんな曲だったのか、気になった方はぜひ読み進めてみてください。
目次
ファー・フロム・ホーム
追悼オープニング曲はホイットニー!
MCUでおなじみのオープニングロゴムービー。この作品では、いつもとは違う特別な演出が施されていました。なんと、ホイットニー・ヒューストンの名曲「I Will Always Love You」がBGMとして使用されていたのです。
この選曲は、前作『アベンジャーズ/エンドゲーム』で描かれたアイアンマンことトニー・スタークの死を悼む意味が込められています。
ロゴムービーの後には、ピーターの通う高校の生徒たちが制作した、アベンジャーズのメンバーを追悼する映像が流れます。手作り感満載のチープな映像も、彼らの喪失感を表現しているようで、どこか心に響くものがあります。
このホイットニー・ヒューストンの楽曲は、もともとドリー・パートンが1974年に発表したカントリーソングです。
その後、1992年にホイットニー・ヒューストンが映画『ボディガード』の主題歌としてカバーし、世界的な大ヒットとなりました。
彼女の圧倒的な歌唱力と情感あふれる歌声は、多くの人々の心を掴み、時代を超えて愛される名曲となっています。
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』では、この曲が持つ壮大なスケール感と哀愁漂うメロディーが、アイアンマンの死という大きな喪失感を効果的に演出しています。
ファー・フロム・ホーム
挿入歌・サントラをシーン別に紹介
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』では、様々なシーンで効果的に音楽が使用されています。ここでは、特に印象的なシーンとその際に使用された楽曲を紹介していきます。
飛行機の機内シーン
ピーターたちがヨーロッパへ向かう飛行機の中で流れていたのは、ウンベルト・トッツィの「Stella Stai」です。
軽快なリズムと陽気なメロディーが、これから始まる冒険への期待感を高めます。
この曲はイタリアのシンガーソングライター、ウンベルト・トッツィによって1969年にリリースされました。イタリアらしい陽気な雰囲気を持つこの曲は、旅の始まりにふさわしく、ピーターたちのワクワク感を盛り上げています。
ヴェネチア到着シーン
水の都ヴェネチアに到着したピーターたち。
ゴンドラに乗りながら街の景色を堪能するシーンでは、カテリーナ・ヴァレンテの「Bongo Cha Cha Cha」が流れます。
情熱的なラテンのリズムと歌声が、美しい街並みをさらにエキゾチックに彩ります。
この曲は、もともとキューバの作曲家、エルネスト・レクオーナによって1956年に作られました。その後、イタリアの歌手、カテリーナ・ヴァレンテがカバーし、世界的に知られるようになりました。彼女の力強い歌声とラテンのリズムは、ヴェネチアのロマンチックな雰囲気にぴったりです。
ヴェネチア観光シーン
ミッドタウン高校の生徒たちがヴェネチアを観光するシーンでは、Minaの「Amore di tabacco」が使用されています。
この曲は、1960年代にイタリアで活躍した歌手、ミーナによるものです。彼女の独特な歌声と、ジャジーな曲調が、ヴェネチアの洗練された雰囲気と調和し、大人の魅力を感じさせます。
プラハへの移動シーン
バスでプラハへ向かう途中、雄大な山脈をバックにピーターとMJが会話するシーン。ここでは、Marcela Laiferovaの「Slnko」が流れます。
どこか懐かしさを感じさせるメロディーが、二人の微妙な距離感を表現しているようにも感じられます。
この曲は、スロバキアの歌手、マルセラ・ライフェロヴァによって歌われています。彼女の透き通るような歌声と、フォークソング調のメロディーは、美しい自然の風景と相まって、ノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。
ハッピーの選曲ミス?
ピーターはレッドツェッペリンと勘違い?
ハッピーが飛行機の中でかけた曲は、AC/DCの「Back in Black」です。実はこの曲は、『アイアンマン』の予告編や本編でも使用されており、MCUファンにはおなじみの楽曲ですね。
しかし、ピーターはこれをレッド・ツェッペリンの曲だと勘違いしてしまいます。
なぜ彼がそう思ったのかは不明ですが、このシーンは、ピーターがまだ音楽に詳しくない高校生であること、そしてトニーの死から立ち直り切れていない心情を表しているのかもしれません。
ちなみに、MCU作品でレッド・ツェッペリンの曲が使用されたのは、『マイティ・ソー バトルロイヤル』の「移民の歌」です。
「Back in Black」は、オーストラリアのハードロックバンド、AC/DCの代表曲の一つです。
1980年にリリースされたこの曲は、パワフルなギターリフとボーカルが特徴で、世界中で大ヒットを記録しました。この曲は、映画『アイアンマン』のイメージソングとして使用され、トニー・スタークの力強さとカリスマ性を象徴する曲となっています。
ファー・フロム・ホーム
エンディング曲はゴーゴーズ!
エンディングでは、アメリカのガールズバンド、The Go-Go’sの「Vacation」が流れます。
明るく軽快なこの曲は、夏の旅行気分を盛り上げ、映画の余韻を楽しませてくれます。The Go-Go’sは、1980年代に活躍したアメリカのガールズバンドで、パワーポップと呼ばれるジャンルの先駆け的存在です。「Vacation」は、彼女たちの代表曲の一つで、1982年にリリースされると全米チャートでトップ10に入るヒットを記録しました。この曲は、夏らしい爽快感と開放感に満ち溢れており、映画のラストシーンにぴったりです。
日本語吹替版主題歌は凛として時雨!
日本語吹替版では、ロックバンド・凛として時雨の「Neighbormind」が主題歌として使用されました。
この曲は、映画のために書き下ろされたもので、スパイダーマンの心情や運命を表現した歌詞が印象的です。
凛として時雨は、日本の3ピースロックバンドで、複雑なリズム構成と轟音ギター、そしてTKのハイトーンボイスが特徴です。
彼らの音楽は、独特の世界観と高い芸術性を持ち、多くのロックファンを魅了しています。
ファー・フロム・ホームのサントラ(歌詞なし)は、「Spider-Man: Far from Home (Original Motion Picture Soundtrack)」に収録されています。合わせて聴いてみてください!
最後に
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は、アクション満載のストーリー展開だけでなく、音楽の使い方も非常に巧みです。
オープニングのホイットニー・ヒューストンからエンディングのゴーゴーズまで、様々なジャンルの楽曲が効果的に使用され、映画全体を盛り上げています。
この記事では、劇中で使用された音楽をシーン別に紹介しました。気になる曲があればぜひ、フルバージョンで聴いてみてください!