マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は、2008年の『アイアンマン』から始まり、現在までに10年以上の歴史を誇る大人気シリーズです。
しかし、最近では「オワコン」や「つまらない」といった声も聞かれるようになりました。
そこで今回は、そもそもMCUはオワコンか、興行収入や評価を見ながら考察。
オワコン、つまらないと言われている原因について掘り下げていきます。
目次
MCUは本当にオワコン?
まずはデータをもとに、MCUはオワコンなのか見ていきましょう。
下のグラフは、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVOLUME3」までの映画作品の興行収入を表したもの。
フェーズ4以降10億ドル超えはスパイダーマンNWHのみ
コロナ後、10億ドルを超えたのは「スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム」のみ。
ノーウェイホームはMCU作品ではあります。ただ、今作に限って言えばスパイダーマン映画の側面が強く、スパイダーマン人気の影響で10億ドルを突破したように思います。
ですから、MCUだけの力で10億ドルを超えたのはゼロと考えてもいいでしょう。
ブラックパンサー1作目からファー・フロム・ホームまでの、単体作品でも10億ドルを超えていた期間に比べると、数字は落ちているのがわかります。
”オワコン”と言われるほど数字は下がってはいないものの、エンドゲームで27億ドルを突破したときの盛り上がりはないですね。
このときの人気を保っていれば、ワカンダフォーエバーやドクター・ストレンジMOMも10億ドルは超えられたのではないでしょうか。
振るわない新キャラの単独作品
フェーズ4の以下単独作品で新ヒーローが登場。
- シャンチー
- エターナルズ
どちらも興行収入が低く、エターナルズに関してはMCUワーストの評価です。

https://www.rottentomatoes.com/m/eternals
米映画評論サイト:ロッテン・トマトのスコア。評論家47点/100点はインクレディブル・ハルクの70点を大きく下回るもの。観客78点はマイティ・ソー/ダーク・ワールドの72点に次ぐワースト2位。
映画だけでなく、新キャラのドラマ作品についてもパットしない印象です。
- ムーンナイト
- ミズ・マーベル
- シー・ハルク
賛否はわかれているものの、フェーズ3で引退したアイアンマンやキャプテン・アメリカに代わるヒーローとは言えないでしょう。
フェーズ2,3で初登場したガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、ドクター・ストレンジ、ブラックパンサー、スパイダーマン、アントマン、そしてキャプテン・マーベルに比べても魅力に欠けるかなと。
前作を超えられない単独作品
- ソー/ラブ&サンダー
- ワカンダフォーエバー
- アントマン3
- ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3
上記の作品はどれも、興行収入が前作を超えませんでした。
前作で13億ドル叩き出したブラックパンサーの続編、完結作となったガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3がどちらも数字を伸ばせなかったのは、MCUの人気が落ちているからと言えます。
MCUオワコンの原因は?
このように、絶頂期に比べると明らかに数字が落ちているMCU。
これをオワコンというならば、MCUはなぜオワコンになったのでしょうか。
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)がオワコンになった理由は、以下が考えられます。
- ヒーロー映画の飽和
- ストーリーのマンネリ化
- キャラクターの魅力の低下
- クロスオーバー作品がない
- 映画×ドラマで予習がハード
- シリーズワーストのアントマン3
- ジェームズ・ガンがDCへ
ヒーロー映画の飽和
MCUは、2008年の「アイアンマン」から始まり、2023年までに27本の映画と10本のドラマを公開してきました。
その結果、ヒーロー映画が市場に溢れ、消費者の飽和状態に陥ったという指摘があります。
「マーベル疲れ」というキーワードが話題になりましたが、作品が増えたことによる”飽き”が来てしまったように思います。
ストーリーのマンネリ化
MCUの映画は、基本的には「ヒーローが悪者と戦う」という単純なストーリーの繰り返しです。そのため、ストーリーに新鮮味がなく、マンネリ化していると感じている人もいます。
今までは様々なバックグラウンドをもったヒーローが登場し、いろんな側面からヒーローの葛藤や成長を描いたことで、マンネリ化とはならなかったです。
しかし作品が飽和したことにより、ストーリーが似たようなものになり、マンネリ化したと言えます。
キャラクターの魅力の低下
MCUの映画は、キャラクターの魅力も重要な要素です。しかし、近年のMCU映画では、キャラクターの魅力が低下しているという指摘があります。
その原因として、キャラクターの掘り下げ不足や、単なるアクション映画としての傾向の強まりなどが挙げられます。
作品の量産することに注力した結果、キャラクター一人ひとりの深掘りがされていないと思われます。
クロスオーバー作品がゼロ
また、映画「アベンジャーズ」などのクロスオーバー作品がなくなったことも、MCUの人気低迷の原因の一つと考えられます。
MCUは、クロスオーバー作品によって、これまでにない規模の壮大なストーリーを展開してきました。これは、MCUの魅力の一つであり、多くのファンを魅了してきました。
興行収入を見て分かる通り、10億ドルを超えている作品のほとんどがクロスオーバー作品。
2019年の「アベンジャーズ/エンドゲーム」で、MCUの大きなストーリーの完結を迎えました。その後、MCUは新たなフェーズに入りましたが、これまでのようなクロスオーバー作品は発表されていません。
これにより、MCUの魅力の一部が失われたと感じているファンも少なくありません。また、クロスオーバー作品の不在により、MCUの世界観が単調になったという指摘もあります。
映画×ドラマで予習がハード
フェーズ4からディズニープラス独占配信のドラマ作品がスタート。
映画とドラマは密接に繋がっているため、どちらか片方を見るのが困難に。
例えば、ドクター・ストレンジMOMを見るためにはワンダヴィジョンが必須。ファルコン&ウィンター・ソルジャーを見るためにはアベンジャーズやキャプテン・アメリカシリーズの視聴が必須となりました。
このように予習がハードになったことでファンが離れた側面もあるでしょう。
ドラマ作品までしっかり見ているファンは楽しめても、映画作品しか見ていないライト層が人物関係や時系列を理解できなくなった可能性があります。
カーン登場もシリーズワーストのアントマン3
アントマン・シリーズはMCUの中では興行収入が低い部類です。この3作品の興行収入を比較すると以下の通り。
- アントマン:5億1931万ドル
- アントマン&ワスプ:6億2267万ドル
- クアントマニア:4億7607万ドル
3作目クアントマニアは、シリーズワーストの成績となっています。
サノスに代わるラスボスとして征服者カーンが登場したにも関わらず、この成績だったことを考慮すると、カーンは期待されていなかったことが窺えます。
インフィニティ・ウォーで初登場したサノスは、圧倒的な強さとカリスマ性で観客を魅了しました。一方、カーンはその存在感や脅威性は十分に伝わりませんでした。そのため、オワコンと言われる原因になっていると言えるでしょう。
ジェームズ・ガンがMCUからDCへ
最後に、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのジェームズ・ガンがDCスタジオの新CEOになったこと。
VOLUME3が”エンドゲーム以来の最高傑作”と言われているのもあって、ガンのMCU卒業はMCUに大きな打撃でしょう。
彼がMCUに戻ってくることがない限り、再びガーディアンズのメンバーが集結することはないはず。
MCUの顔が失われた今、オワコンと言われても仕方がないですね。
まとめ
以上、MCUがオワコンなのか、オワコンと言われている理由についてまとめました。
オワコンと感じるかは人それぞれだと思いますが、個人的にはやり尽くしたとは感じます。
10年以上やり、作品数は40作品を超えました。よくここまでできたなと思います。他のフランチャイズ作品のように早々にクロスオーバーが破綻していてもおかしくありませんでした。
改めて、よくエンドゲームまでこけずに完結させてくれたって感じですね。
ここ最近は、試行錯誤で数字からもうまくいっていない部分は感じられますが、1ファンとしてはがんばってほしいと思います。