ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じた最後の作品「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」。
興行収入は全世界で7億7400万ドルを超え、シリーズの中でも高い人気を誇る作品ですが、「ひどい」という意見も耳にすることがあります。
一方で、「ノー・タイム・トゥ・ダイ」をはじめ、ダニエル・クレイグ版007作品には、印象的なタイトルが付けられていますよね。
「カジノ・ロワイヤル」「慰めの報酬」「スカイフォール」「スペクター」…。これらのタイトルには、どんな意味が込められているのでしょうか?
この記事では、ダニエル・クレイグ版007作品の
タイトルに隠された意味を徹底的に解説していきます。
さらに、「ノー・タイム・トゥ・ダイ」がひどいと言われる理由や、エンドクレジット最後の「JAMES BOND WILL RETURN」の意味についても考察!
歴代ボンド俳優と比較しながら、次期ジェームズ・ボンドについても考えていきます。
007シリーズのファンはもちろん、これからシリーズを見始める方も楽しめる内容になっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
「ノー・タイム・トゥ・ダイ」
に隠された意味とは?
「ノー・タイム・トゥ・ダイ」は英語で「No Time To Die」。直訳すると「死ぬ時間がない」という意味です。
そこから転じて、「今は死ぬわけにはいかない」「死んでいる場合ではない」という強い意志が感じられます。
本作はダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じる最後の作品。ボンドはシリーズ史上最大の危機に直面し、「ここで死ぬわけにはいかない」と奮い立つ姿が印象的でした。
また、「To Die(死ぬこと)」を「No Time(時間がゼロ=一瞬)」と捉えれば、「死ぬのは一瞬だ」という意味も込められていると考えられます。
007シリーズの中で「Die(死ぬ)」という言葉が使われているのは、本作を含めて以下の4作品です。
- Live and Let Die
(死ぬのは奴らだ) - Tomorrow Never Dies
(トゥモロー・ネバー・ダイ) - Die Another Day
(ダイ・アナザー・デイ)
トゥモロー・ネバー・ダイやダイ・アナザー・デイなど、「Die(ダイ)」が副題に含まれている作品の内容あらすじを考察してみましょう。
「Die(ダイ)」という言葉がタイトルに含まれている007作品は、「ノー・タイム・トゥ・ダイ」を含めて4作品あります。
Live and Let Die(死ぬのは奴らだ)
1973年公開のロジャー・ムーア主演作品。カリブ海の島国を舞台に、麻薬王カナンガとボンドが対決します。 voodoo教の呪術やゾンビが登場するなど、オカルト要素が強い作品です。
トゥモロー・ネバー・ダイ(Tomorrow Never Dies)
1997年公開のピアース・ブロスナン主演作品。メディア王エリオット・カーヴァーが、世界大戦を引き起こそうと企む陰謀を阻止するため、ボンドが奔走します。
ダイ・アナザー・デイ(Die Another Day)
2002年公開のピアース・ブロスナン主演作品。北朝鮮の将軍ムーン大佐に捕らえられたボンドが、脱出後に復讐を果たす物語です。
これらの作品と「ノー・タイム・トゥ・ダイ」の共通点は、ボンドが「死」と隣り合わせの状況に置かれているという点です。
「トゥモロー・ネバー・ダイ」では、世界大戦勃発の危機、「ダイ・アナザー・デイ」では、ボンド自身が捕らえられるという危機、「ノー・タイム・トゥ・ダイ」では、新型ウィルスによる世界の危機と、それぞれ「死」の影がつきまとっています。
これらの作品と「ノー・タイム・トゥ・ダイ」の間には、「死」をテーマにしているという共通点があるのかもしれません。
ダニエル・クレイグ版007の
歴代タイトルの意味を解説
ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じた5作品には、それぞれ印象的なタイトルが付けられています。それぞれのタイトルに込められた意味を詳しく見ていきましょう。
カジノ・ロワイヤル (Casino Royale)
「カジノ・ロワイヤル」は、ボンドと悪役ル・シッフルがカジノでポーカー対決をするシーンが印象的な作品です。
「ロワイヤル」はフランス語で「王の」という意味で、英語では「Royal」と表記されます。
ポーカーで1位を目指す戦いは、まさに「王」を決める戦い。そこから「カジノ・ロワイヤル」というタイトルが付けられたのでしょう。
慰めの報酬 (Quantum of Solace)
「慰めの報酬」は、007の原作小説「薔薇と拳銃」に収録されている短編「Quantum of Solace」が元になっています。
「Quantum」は「量子」、「Solace」は「慰め」という意味です。直訳すると「少しばかりの慰め」。
前作「カジノ・ロワイヤル」で恋人ヴェスパーを失ったボンドが、復讐によって得られるわずかな慰めを表現していると考えられます。
スカイフォール (Skyfall)
「スカイフォール」は、ジェームズ・ボンドが生まれ育った場所の名前です。本作のクライマックスの舞台となり、ボンドの過去やルーツが明らかになる重要な場所です。
スペクター (Spectre)
「スペクター」は、ボンドの宿敵ブロフェルドが率いる悪の組織の名前。
過去の作品に登場した悪役たちが、実はスペクターの一員だったことが明らかになります。
「Spectre」は「幽霊」や「妖怪」といった意味があり、長年にわたり影で暗躍してきた組織にふさわしい名前と言えるでしょう。
ノー・タイム・トゥ・ダイの相関図は下の記事にまとめています。
007の相関図!スペクターの正体とノータイムトゥダイの人物関係を整理!
ノー・タイム・トゥ・ダイ (No Time To Die)
「ノー・タイム・トゥ・ダイ」の意味については、前述の通りです。
ノー・タイム・トゥ・ダイが
ひどいと言われる理由は?
「ノー・タイム・トゥ・ダイ」は、興行収入も高く、多くのファンから支持されている作品です。
米評論サイト「Rotten Tomatoes」の評価は、評論家83点、オーディエンス88点と高評価を得ています。
しかし、一部では「ひどい」という意見も存在します。その理由としては、以下のような点が挙げられます。
- ダニエル・クレイグ版ボンドの集大成として、ストーリーが複雑で難解だと感じる人がいる
- アクションシーンが多い一方で、人間ドラマの部分が少なく、感情移入しにくいと感じる人がいる
- シリーズの伝統的な要素を覆すような展開に、抵抗を感じる人がいる
「カジノ・ロワイヤル」や「スカイフォール」と比べると評価は低いですが、シリーズ5作の中では3番目。
前作「スペクター」が評論家63点、オーディエンス61点なので、決して低い評価ではありません。
ノー・タイム・トゥ・ダイのポスクレ
“JAMES BOND WILL RETURN”の意味
「ノー・タイム・トゥ・ダイ」のラストには、「JAMES BOND WILL RETURN(ジェームズ・ボンドは戻ってくる)」というメッセージが表示されました。
これは、ダニエル・クレイグが演じたジェームズ・ボンドが戻ってくるという意味ではありません。
007シリーズがこれからも続いていくということを示唆しています。
ダニエル・クレイグは15年間にわたりジェームズ・ボンドを演じ、世界中のファンから愛されてきました。彼の功績があったからこそ、007シリーズは今後も続いていくことができるのです。
そして、2024年10月、次期ジェームズ・ボンド役がイギリス人俳優のアーロン・テイラー=ジョンソンに正式決定したことが発表されました。
キック・アスやアベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン、テネットなど話題作に数多く出演している実力派俳優です。
2024年12月にはマーベル最新作「クレイブン・ザ・ハンター」で主演を努めています。
アーロン・テイラー=ジョンソンの筋肉がヤバい!身長・年齢は?
次の007がいつ公開するのか、どんな作品になるかは未定ですが、新たなジェームズ・ボンドの活躍に期待が高まります。
歴代ボンド俳優と比較
初代ショーン・コネリーからダニエル・クレイグまで、6人の俳優がジェームズ・ボンドを演じてきました。
それぞれの俳優が、異なる個性と魅力でボンドを演じています。
- ショーン・コネリー:
初代ボンド。ワイルドでタフなイメージが強い。 - ジョージ・レーゼンビー:
2代目ボンド。知的で紳士的なイメージ。 - ロジャー・ムーア:
3代目ボンド。ユーモアがあり、ダンディなイメージ。 - ティモシー・ダルトン:
4代目ボンド。シリアスで冷酷なイメージ。 - ピアース・ブロスナン:
5代目ボンド。スマートで洗練されたイメージ。 - ダニエル・クレイグ:
6代目ボンド。タフでワイルド、そして人間味あふれるボンド像を確立。
次期ジェームズ・ボンドに決定したアーロン・テイラー=ジョンソンは、どのようなボンド像を見せてくれるのでしょうか
最後に
「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」は、ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドの集大成であり、シリーズの新たな幕開けを予感させる作品でした。
次期ジェームズ・ボンド、アーロン・テイラー=ジョンソン主演の007シリーズにも、ぜひご期待ください。
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